お知らせ

″性根を据えて、信頼回復を〟
総代説明会で不祥事の詳細について報告


 6月14日、黒部市国際文化センター・コラーレにおいて、受託会計にかかる不祥事について総代説明会を開催しました。当日は総代161名(現総代数493名)が出席し、当局から受託会計にかかる不祥事について、事件の内容や報告遅延の背景・原因、役員処分、再発防止策等について報告されました。
 出席総代からは、「よほど性根を入れて改革をやらない限り、信用を取り戻すのは大変なことだ」「役職員のレベルアップを図れ」「不祥事を長期間報告しなかったことも大きな問題である」といった意見や、役員処分に至った経緯、不祥事調査委員会・役員責任調査委員会の協議内容について質問が出されました。
 以下、総代説明会の質疑・応答(抜粋)についてお知らせいたしますとともに、再発防止策を徹底し信頼回復に努めてまいります。


【質】不祥事についてもディスクローズすることがいちばん大事である。本日の説明会で出された総代の貴重な意見を記録に残し、組合員にわかる形にしてほしい。

【答】ご意見等は集約し再発防止策の詳細についても広報誌に掲載いたします。

【質】現在のJAくろべは県下の笑いものである。よほど性根を入れて改革をやらない限り、信用を取り戻すのは大変だ。不祥事の被害組織の前会長が黒部農協の新しい常務理事に就いているが、虫がよすぎるのではないか。事の責任を考えるべきだ。少しでも責任を感じれば自分から辞退するべきではないか。新しい人、確実な人を選んで、組合長を助けながら黒部農協の運営のために汗を流していただきたい。

【答】新しい常勤理事の体制は臨時理事会等で協議を重ねて結論を出したところです。常務にとお願いした際には、ご指摘のようなことはもちろん承知した上でのことです。それを乗り越えてやっていただきたいとお願いしています。営農組合の常勤も辞めていただき、農協の業務に専念していただくということでお願いしており、何卒ご理解を賜りたいと思います。

【質】農協のことや組合員のことを考え、不祥事を公にすべきであると進言した職員が職場にいられなくなるような対応を受けた。いちばん大事な中間管理職数名が黒部農協を去っている。相当の葛藤があった後、決断し農協を去ったのだと思うが、その職員の方々に対してお詫びなりが一言もない。そういう職員こそ大事に育てるのが本当ではないか。残念に思う。

【答】中間管理職には職場の要になってもらっており、退職となれば農協事業に影響が出るということも理解しています。当然のことながら、退職願いが出た時点で1人ひとりに対し、心をこめて慰留に努めてまいりましたが、2、3の職員は決意が固く退職となりました。その他の退職者については、ただ農協が嫌になったということだけではなく、病気や家庭の事情という要因もあって退職されています。結果的にはご指摘のとおりであり非常に残念に思っています。 

【質】4月の総代会の冒頭、緊急動議を提出したが、その際、動議に対して一言も話がなかった。緊急動議は法律で認められた権利だと思う。総代会が終わって協同組合法および定款、細則、全部調べたところ、きちんと謳ってあった。

【答】動議に対して適切な処理を怠ったということについてはお詫び申し上げます。本来、総代会は事前に案内した議案に限って決議いただくものでありますが、定款の42条には緊急動議も認めています。ただ、定款39条に定めるような重要事項は動議を受け付けないということになっており、当日の動議は、不祥事調査委員会の結果を踏まえた上で役員は辞任されるよう緊急提案するという内容であり、これに該当するものと判断いたしました。

【質】前回の不祥事は6年4カ月、今回は2年2カ月の長期に亘る事件であった。その間、理事は理事会等でどのようにして取り組いう要因もあって退職されています。結果的にはご指摘のとおりであり非常に残念に思っています。 

【質】4月の総代会の冒頭、緊急動議を提出したが、その際、動議に対して一言も話がなかった。緊急動議は法律で認められた権利だと思う。総代会が終わって協同組合法および定款、細則、全部調べたところ、きちんと謳ってあった。

【答】動議に対して適切な処理を怠ったということについてはお詫び申し上げます。本来、総代会は事前に案内した議案に限って決議いただくものでありますが、定款の42条には緊急動議も認めています。ただ、定款39条に定めるような重要事項は動議を受け付けないということになっており、当日の動議は、不祥事調査委員会の結果を踏まえた上で役員は辞任されるよう緊急提案するという内容であり、これに該当するものと判断いたしました。

【質】前回の不祥事は6年4カ月、今回は2年2カ月の長期に亘る事件であった。その間、理事は理事会等でどのようにして取り組んできたのか。

【答】2回続けての不祥事ということで、利用者の皆様には本当に申し訳なく思っています。重大な不祥事が起きたという認識をもっています。当然、臨時理事会をはじめ数々の協議を重ね、対応策を講じて対処してきたところです。不満な点も多々あるかと思いますが、行政庁などの監督機関や上部団体からの指導もあり、これを真摯に受け止めて実行してまいったつもりです。

【質】今回の不祥事について1回目に説明を聞いた時、JAくろべの会計ではなく受託会計であり、本来の仕事ではなくて他の仕事だという組合長の説明に聞こえた。私の任期中ではなく前の組合長の時のことであったと、責任回避のようにも聞こえた。今、辞任されると言われても、はじめから全然辞める気はなかったのではないか。

【答】受託会計はJA事業の直接的な会計でなく、農家・組合員組織の会計を農協の職員が預かり、会計や事務を行っているものです。今回、その中で不祥事が起きたという説明をしたところです。現在、こうしたことを起こさないようにするため、農協として受託会計を各組織に返すよう指示しています。しかし、むしろ、農協は積極的に受託会計を受けて、団体のお世話をするということが重要だとも考えています。それが組合員との信頼を築く、あるいはJA事業も円滑にいくのではないかとの認識をもっています。ただし、契約を結ぶなどきちんとした手続きや牽制機能がはたらくような事務手続きを満たすことが大切です。

【質】辞任だの解任だの諭旨解雇だの減俸だのと処分を書いているが、きっちり名前を知らしめないとだめだ。次からはこうします、農協法以上に黒部農協ではこうしますという方針を出してほしい。

【答】当事者は被害額を各団体に全額返していますし、また、本人が団体の方へ出向いて陳謝、お詫びしています。そういうこと等の事情も考慮し名前を公表していません。

【質】役員責任調査委員会の答申書に役員総辞職の回避について記載されているが、何故、総辞職しなかったのか。

【答】実際に、臨時理事会で総辞職を決議し、どういう段取りでどうするかということを協議いたしました。しかし、現役員の残任期間は10カ月しかないということ、それから、役員責任調査委員会の答申にあるように、責任の取り方にはふたつあり、ひとつは総辞職であり、ひとつは続投し責任をもって再発防止を徹底するということであり、残った役員が任期いっぱい再発防止策に取り組むとい
うことがいちばん望ましいという判断をしました。ご理解いただきたいと思います。

【質】次回の役員交代時には、半分でも3分の1でもいいが、農協事業に直接関係がない方を選ぶとかといった考え方をとったらどうか。冷静な目を持つ人、ものの言える人、そういう人選を進めてもらいたい。

【答】わかりました。今回につきましては、限られた時間内と限られたメンバーの中での人選となったわけであります。

【質】刑事上の告発について伺う。皆さんは本当に一生懸命やっておられ、はっきり言えば被害者である。訴えてもいいような事情じゃないかと思うが、穏便に図ろうということの協議はされているのか。

【答】金融機関のいろいろな事例を調査し、今後の本人の対応も含めて、理事会では告発しないということを決定しています。ただし、今後につきましては、再発防止対策として効果があるということであれば、考えていく必要もあると考えています。

【質】黒部農協の理事会は総代会の位置づけをどう考えているのか。本日の説明会は報告書という形で出ている。物事すべて事後承認である。申し訳ありませんが理解してください、ばかりでは納得できるわけがない。

【答】総代の皆様は組合員を代表されており、総代会は最高決議機関であると認識しています。この場で、大いに意見を出していただいて、それを今後の農協運営、あるいは不祥事再発防止策に反映していきたいと考えています。

【質】不祥事調査委員会の構成は内部の方々ばかりである。総代の代表者を数名入れるべきではなかったのか。要するに、黒部農協は総代会をないがしろにしているのではないかと思う。ほんとうに真剣に農協のことを考えている理事はいるのか。また、なあなあで終わろうとする委員会だと思
う。

【答】不祥事調査委員会は、発覚時点からの経緯、経過、内容を正確に把握し、つまびらかにするために設置した委員会です。その結果や状況は理事会へ提出し、役員の責任問題を審議した役員責任調査委員会にその記録を提出する、さらに、賞罰委員会にその記録を提出することなどを役割としていました。また、類似のものがないかどうかを調査するという役割も担っております。委員会には、たしかに農協の役職員が入っておりますが、農協中央会や農林中央金庫、全共連、全農からも、また専門家である公認会計士にも入っていただき委員会を構成しています。ただ今のご発言のような、総代会軽視だという意識は全くございません。この後、再発防止策に最低1年間取り組み、その結果を各方面に提出し、確認をしていただくことになりますが、経過については広報誌等を通じてご報告いたします。役職員一同真剣に取り組む所存であり、任期中は汗をかいて信頼回復に努めますので、ご理解いただきたいと思います。

【質】本日の資料のタイトルは受託会計にかかる不祥事報告書となっているが、いちばんの問題は隠していたことだと思う。にそれが書かれておらず、全然認識しておられない。反省が全然見えない。不祥事を隠蔽していたということを大きく表現してもらいたい。

【答】ご指摘のように受け取られたとすれば、説明不足であると反省いたします。ただ、臨時理事会や理事会では、不祥事を理事会に報告しなかったことを含めて重点的に議論してきました。これは単なる黒部農協だけの問題ではなく、農業協同組合全体にかかる問題であるほか、農協の体質を疑われる事案であると判断しています。不祥事再発防止策につきましても、そういうことを回避するため、役員体制を整える対策もたくさん追加されております。

【質】問題が出たからぱっと辞めるというのは責任感が薄いように感じる。検討委員会の指摘事項を踏まえ、現職の方は軌道にのせるということが、組合員に対する重大な責務だと思う。

【答】6月21日から新しい執行体制になりますが、今回は常務制ということで常勤を1人増やしました。特に、コンプライアンスに重点をおいた担当常務を設置し、不祥事が起きないようにきちんと管理監督し、信頼回復のために誠心誠意取り組んでまいります。

【質】人事異動に関する再発防止策に内部統制を重視した人事のローテーションとあるが、私は2年前の総代説明会で、人様のお金を預かる職員には定期的な人事異動ではなく、抜き打ちで異動しないとだめだと言った。しかし、そのときは誰もそれに対して回答されなかった。そのことが今回の再発防止策にどう反映しているのか。

【答】そういったご意見も参考にして、人事異動のあり方について検討させていただきます





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お知らせ

不祥事再発防止対策委員会を設置し、再発防止策の取組み状況を管理、検証
当組合では、本年3月に不祥事が発覚したことを受け、事件発生や報告が遅れた原因を検証・分
析した上で実効性の高い再発防止策に取り組み、信頼回復に努めています。
 また、6月には農協中央会や農林中央金庫等関係機関も含めた委員で不祥事再発防止対策委員会を設置し、不祥事再発防止策の進捗状況や達成状況を管理し理事会へ報告することとしています。
 不祥事再発防止策の概要については「みずほ」6月号に掲載いたしましたが、組合全体で取り組
むことを再認識するため、その詳細について報告いたします。
黒部農協不祥事再発防止策

【実施項目1】 法令等遵守に係る経営責任の明確化
[原因] 
・不祥事発生時の役員責任が明確化されていない
・不祥事件に対する検証体制の不備
[対策] 
①不祥事調査委員会の設置
②役員責任調査委員会の設置
③役員倫理規程の制定
④不祥事再発防止対策委員会の設置
⑤理事会との連携

【実施項目2】 理事会、監事会による経営監視・
牽制が適正に機能する経営管理態勢の構築
[原因]
・固定化された執行体制による監視体制の脆弱化
・ 理事会の協議事項について十分な検討が加えられないまま、決定が行われている
・ 理事自らが業務執行に対して、責任を持って取り組んでいない
・ 内部監査等で指摘された事項が十分に改善されていない
・ 監事による理事の職務執行に対する監視が十分に機能していない
[対策]
①業務執行体制の刷新を図る
②理事会資料を事前配布し理解の深耕に努める
③ 理事会協議・報告事項について、常勤役員自らが説明し周知を図る
④ 役員自ら指摘事項等の改善計画の作成を指示し業務改善に携わる
⑤監事の理事に対する助言、勧告
⑥ 不祥事再発防止策に対する理事の執行状況
の監視
⑦監査報告に対する理事への改善報告の徴求
⑧常勤監事への目安箱設置と専用電話回線化

【実施項目3】 経営陣が率先垂範して誠実に法令等遵守に取り組む経営姿勢の明確化及び組合全体の法令遵守体制の確立
[原因] 
・ 不祥事件及び再発防止策について、JA関係者に対する説明が明確にされていない
・ コンプライアンスプログラムに基づいた取組みが形骸化している
・ 役員の不祥事認識不足による報告遅延
・ 職員のコンプライアンス意識の欠如による不祥事の発生
[対策] 
①関係者に対する説明会の実施と経過報告
② コンプライアンスプログラムに対する取組みの見直し
③ 役員のコンプライアンス意識醸成のため、各種研修会への参加
④ 役員(常勤・非常勤問わず)による支店巡回制度の継続
⑤ 職員のコンプライアンス意識醸成のため、研修会への参加・実施

【実施項目4】 適切な人事管理方針の策定・実施
[対策]
① 内部統制を重視した人事ローテーションの実施
②連続職場離脱の100%削除実施
③ 事務知識、検証能力等を踏まえた、支店管理職の適正な配置
④人事考課制度の精度向上と適正な実施
⑤業務引継ぎの徹底による職員情報の引継ぎ

【実施項目5】 適正な受託会計事務処理の徹底
[原因]
・ 組織会計事務取扱要領に基づかない会計受託を行っていた
[対策]
①組織口座の把握・確認
②受託契約の締結
③受託会計の返却
④ 組織会計事務取扱要領に基づく適正な事務処理の徹底

【実施項目6】 支店における厳正な事務処理の 実施と自主点検の徹底による問題の早期改善
[原因]
・ 前回再発防止策の取組み期間において改善・定着が図られた項目につき、不備が再発生している
・ 前回不祥事再発防止策において改善・定着が図られた項目のうち、不祥事に直結する重要項目につき再発防止の観点から定期的なチェックが必要と考えられる
[対策]
① 現金・現物・重要用紙の厳格管理を再徹底し、自店検査でのチェックを強化する
② 受取書等を使用した集金管理を再徹底し、自店検査でのチェックを強化する
③ ATM用現金の複数人による補填・回収・精査を再徹底し、自店検査でのチェックを強化する
④ 農林中金富山支店が実施する事務堅確性向上運動と連動した事務レベルの向上、自店検査の定着化に向けた不断の取組みを実践する
⑤ 現金等の取り扱い、便宜扱い、重要取引等にかかる内部牽制体制の整備
⑥渉外業務における基本的事務処理の徹底

【実施項目7】 内部監査等の監査機能の充実、強化
[原因]
・内部監査が十分に機能していない
・事務改善指導が十分に行き届いていない
[対策]
①研修会参加により質的向上に努める
②全店舗を対象とした特別監査の実施
③内部監査有資格者の増員と各部署への配置
④内部監査結果の理事会報告
⑤内部監査結果に対する改善指示
⑥自店検査の適正化
⑦フォローアップ監査の実施
⑧ 監査指摘事項にかかる事業部署と連携した改善指導

【実施項目8】 不祥事件発生時の報告態勢の整備
[原因]
・不祥事発生時の報告方法の周知が不十分である
・組合員・利用者からの情報提供が生かされていない
[対策] 
① 不祥事対応要領・ヘルプラインの周知徹底と利用意識の定着及び通報内容について迅速な解決
②組合員への情報発信
③相談・苦情に対する適切な対応




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JAからのお知らせ







「みずほ」 No.482
平成26年7月
発行:黒部農業協同組合
〒938-0042
富山県黒部市天神新210-1
TEL(0765)54-2050
FAX(0765)54-4334
編集:みずほ編集委員会